胆嚢炎、胆管炎とかの胆道イベント発生時にSTが下がっている事があります。
元々胆道イベントがあるのでわりと多い頻度で心窩部痛があるんですけど、肝胆道系酵素上昇、造影CTで胆管炎だろうな〜とおもっても、tnt、CKMBも陰性なのわかってても、ST下がってたらさてどうしようかなってびびりますよね。
念のため2.5時間後(ぼくの職場ではこの時間です)ラボふぉろーしても、心筋逸脱酵素は陰性。循環器内科に相談して再度心エコーしてもらっても明らかな壁運動以上はなし。
結論として胆道系イベントではSTEMI-likeになることがあるみたいです。
他にも文献報告に寄れば膵炎、肺炎でも心電図変化が見えるケースがあるみたいですね。
学説的にはRAS系の増加による,頻脈、血圧上昇とかのため心筋への酸素需要増大が心筋虚血を誘発しSTEMIの様になっているのではないかと考えられているみたいですが、結局のところこれらの状態における具体的な病態生態学的なメカニズムは確立されていないようです。
というか、其れだったらtnt、CKMBが上昇してくれても良いですよね、虚血なのだから…
勿論ですが、だからといって心電図変化あるのに胆管炎だから大丈夫、と思ってるとそっちはむしろ致命的ですので、ラボ, ECG, UCGフォロー、循環器への相談は必ずします。
余談ですけど、このイベントっていう言い方、すっかりなれてしまって思わず説明の時につかっちゃう事があって。
でもイベントっていうと一般的には楽しい事を想定するので、研修の時にちょっとバツが悪い雰囲気になっちゃったことがあります。気をつけたいものですね。
ではでは